「コマンドガー」「フレームガー」「難しいから格ゲーは衰退シター」
……格闘ゲームがディスられるときに使われるセリフである。
ツイッターでは、下記のツイートが話題を呼んでいた。
こういう複雑怪奇なコマンドが原因で格ゲーが衰退したのをまだ学んでないみたいですね。
コマンド無くせ、フレームの概念無くせ pic.twitter.com/Jikqeuorus— アトミック西門! (@AtomicNishikado) 2019年5月28日
こういう複雑怪奇なコマンドが原因で格ゲーが衰退したのをまだ学んでないみたいですね。
コマンド無くせ、フレームの概念無くせ
「一生スマホゲーやっててくれ」って言えるような文面ですね。フレームの概念消したら時間が止まりますよ。
そろそろ自分、こういった意見に対してゴーマンかましてよかですか?
もうお前ら格闘ゲームやらないための言い訳探してるだけちゃうかと。ただ集団で格闘ゲーム叩いて気持ち良くなりたいだけちゃうかと。
格ゲーが難しいって文句言ってる人間が普段どんなゲームを遊んでいるのか、気になります。
全くゲームやらない人が格闘ゲームだけに文句言うわけないですし、本当に普段どんなゲームやってんだろ。
スマホでポチポチゲーしか遊んでいないのにコンシューマーの格ゲー批判しているとしたらワタクシ驚きですよ。
格闘ゲーム、こと『ストリートファイター5』に関して言えば、マジで難しくないから、大丈夫だって。
はい、ここでアイキャッチ画像挿入!!
格ゲー(スト5)はそんなに難しくないよ、気軽に始められるよって言うのを、この記事を通してワタクシ、伝えていければなと思う次第であります。スト5は数千試合すれば慣れます。ハードルは高くありません。
格ゲー(スト5)は簡単!
アケコンなんかいらん
格闘ゲームにアケコンは必須じゃありません。このイメージは格ゲーのハードルを高くしている原因の一つだと思うので言っておきます。
eスポーツに乗じて芸人とかアイドルみたいなのがアーケードコントローラーを持った自撮りを嬉々としてSNSにアップしているのをたびたび見ますが、自分はこういうの見るたび、嫌な気分になってました。
なんでわざわざ触ったこともない不慣れなコントローラーを使うのだろう。普段触っているパッドで十分なのに。というか、ゲーセンから格闘ゲームに入った人じゃないならパッドのほうが絶対に慣れるの早いです。
有名人が格ゲーやるってなると揃いも揃ってみんなアケコンで始めるのが本当に謎。とりあえずの“見せ”アピール感があって痛々しいです。格ゲーのアケコンはゴルフのクラブ、テニスのラケットみたいな必需品でもなんでもない。パッドでいいんですよ。スーファミとかプレステで十字キー触ってた世代なら尚更。
触ったこともないスティックでいちから練習とか、それこそ自分自身の手でハードル上げてるようなもんですよ。
最強プレイヤーとして挙げられるアメリカのPunk選手はパッド勢ですし。ゲーセンで格ゲーをやり込んでいなかった人なら、わざわざ高い金出してアケコン買わずにパッドでプレイすればいいんです。
個人的にはHORIの「ファイティングコマンダー」をオススメしますけど。
フレームはただのターン制
フレームとか聞くと途端に難しそうなイメージが出来上がってしまう格闘ゲーム、実はそんなに難しいものでは無いです。
フレーム…1秒を60で割った単位。1フレームは1/60秒。
フレームを巡る攻防って、要はターン制です。
この攻撃をガードされると敵側が◯フレーム先に動けるので貴方が防御に回る番ですよ。
この攻撃はガードされても貴方が◯フレーム先に動けるので攻撃を続けても良いですよ。
こんだけの話なんです。
ガードされて有利の攻撃を使っても、ガードしたときに距離は離れるので、一生有利な攻撃をするのは無理です。
よく初心者が何も出来ずにやられた、とか言いますけど、それはフレームの有利不利を知らないからです。これはキャラクターのフレーム表を見れば解決します。
ストリートファイター5の公式サイト「シャドルー格闘家研究所」に向かい、「キャラクターデータ」にアクセスし、自分のキャラが使う技のフレーム(ガードされたときの硬直差)を調べましょう。
リンク:『シャドルー格闘家研究所』
ちょっとリュウ(皆さんご存知、波動拳を使う格闘家)のフレームを例に紹介します。
「硬直差」の項目にある「ガード」の数字に注目してください。
青い四角で囲んだ「立ち弱P」のガード硬直差は“2”と表示されているのがお分かりいただけるだろうか。これは、ガードされても2フレーム(60分の2秒)敵より早く動けるということです。
逆に、赤い四角で囲んだ「立ち弱K」は“-2”と表示されています。これは、ガードされてしまうと敵側が2フレーム早く動けるわけ。
これを踏まえて、リュウ同士の攻防を例に出しましょう。
1Pリュウが立ち弱Pを出しました。2Pリュウはガードしました。1Pリュウが2フレーム早く動ける状態です。
その後、1Pリュウと2Pリュウは同時に立ち弱Pを出しました。結果どうなるでしょう?
正解は、1Pリュウの立ち弱Pがヒットする。です。
先述した通り、リュウの立ち弱Pはガードされても2F早く動けるので、その後に同時に同じ技を出したら有利フレームを維持しているほうが勝ちます。
リュウの立ち弱Pは発生が3フレームなのですが、1Pリュウの立ち弱Pをガードして2フレームの不利を背負った2Pリュウから見た場合、発生5フレームの技になるのと同義なのです。
“発生”っていうのは、技が攻撃判定を持つまでの時間だよ。
では、もう1つ例を出してみましょう。ガード状況は同じ。1Pリュウが立ち弱Pを出し、2Pリュウはガードしました。その後、1Pリュウは発生8フレームの立ち強Pを、2Pリュウは発生3フレームの立ち弱Pを出しました。さて、結果どうなるでしょう?2Pリュウは2フレーム不利ですよ。
その結果は……
2Pリュウの立ち弱Pが1Pリュウにヒットします。1Pリュウのほうが有利フレームなのに何故?と思う方もいるかもしれません。これは、立ち強Pの発生フレームが原因です。
いくら2Pリュウ側が2フレーム不利と言っても、立ち強Pの発生は8フレームなので、2P側の立ち弱Pのほうが早く当たります。
メディアに格闘ゲームが取り上げられると、「60分の1秒で戦う」みたいな大げさなこと言ってたりしますが、スト5の攻防は単純な足し算引き算なんです。
ただ、この不利フレームを覆すのが、いわゆる無敵技。
足し算引き算の法則を無視します。
リュウのEX昇竜拳(EXゲージを消費して放つ攻撃)は打撃も投げも無効化する完全無敵技です。
最初と同じ状況で話しましょう。2Pリュウが1Pリュウの立ち弱Pをガードして-2F背負っている状態です。このあと、1Pリュウが発生3Fの立ち弱P、2Pリュウが発生3FのEX昇竜拳を放つとどうなるかというと……。
はい、皆さん予想通り、2PリュウのEX昇竜拳が勝ちます。
この無敵技が絡んだ攻防もストリートファイター5の読み合いの一つです。フレームの不利を背負った状況でも、無敵技を持つキャラならフレームの有利不利関係なく勝つことは出来る。ただし、ガードされるとんでもなく痛い反撃を貰います。
こちらがフレーム有利でも、相手が無敵技を出してくる可能性があるので、敢えて手を出さず守りに徹するというシーンも出てくるわけですね。
フレーム(主にガード硬直差)を知るってことは、相手の攻めでいつスキが出来るかが分かるってことです。スト5が知識ゲーとも云われる所以。
この技ガードしたらこっちが3フレーム有利だから発生3Fの技で反撃が確定するぞ!とか、そういう細かい部分を知れば知るほどスト5は強くなっていきます。
言うても自分は細かい部分なんて全然詰めてませんけどね。とりあえず各キャラの主力技のガード硬直差、自キャラの技の発生フレームとガード硬直差を覚えておけば問題ないです。
あと、不利フレームだからって100%反撃しちゃいけないなんてことは無いです。相手が有利フレームを利用して発生の遅い攻撃をしてくる可能性も十分あるので、そういうときに発生の早い小技で反撃すれば、不利フレームを背負っていても勝てます。これは上記でも紹介した立ち強Pvs立ち弱Pのケース。
まあ、“基本的には”不利フレ背負った状態で反撃しないほうがいいです。
以上がフレームの話です。
※「硬直差」に関しては、ゲーム内のトレーニングモードでも表示が可能
まとめ
記事をまとめると……
・スト5は操作が優しい
・アケコンは買わなくていい。ソフトだけ買って始めてみよう
・数千試合こなせば何となく慣れる
・フレームは貴方が思っているより難しくない
『ストリートファイター5』って、格ゲー新規の人が触る分にはもってこいのゲームだと思います。コンボは難しくないし、人口は対戦格闘ゲームの中じゃ多いほうだしね。
グラブルVSの予習としてスト5を触るのもいいんじゃないでしょうか。楽しめなかった場合の責任は取れませんけど……。
これからスト5を始める初心者には管理人も使用しているコーリンというキャラをオススメしたいですね。
見た目も良いし、強キャラですし、初心者帯にとっては驚異であろう表裏を揺さぶる連携を多数持っています。基本的なコンボも難しくありません。コーリンしか使えない上中下段当て身も魅力。
コーリンを使うのが嫌なら、プロゲーマーが使っているキャラを使うのをオススメします。プロゲーマーと同じキャラを使うと、スト5の大会を見るのが楽しくなりますよ。プロのプレイが立ち回りの参考になったり、応援にも熱が入ります。
【例】
ときど……豪鬼
ハイタニ……豪鬼
ウメハラ……ガイル
ももち……コーリン、是空
ガチくん……ラシード
ボンちゃん……かりん、サガット
sako……メナト、カゲ
ネモ……ユリアン、コーリン
藤村……いぶき
ジョニィ……かりん
今回の記事は以上です。ではでは。
下記のまとめページでは管理人のプレイ日記(成長記録)も公開しています。最近は停滞してますが、去年は着実に強くなっていきました。
格ゲーを全然やらない素人からすれば一番の問題は初心者狩りじゃないかと思います。
友達に以前これ面白いからやろうよと言われやったんですが、ただボコボコにされただけ。
違う格ゲーのアーケードもやりましたが、いきなり乱入してきてボコボコにされただけ。
ゲームを触っても管理人さんが言う格ゲーの楽しさを感じる前に辞める人が多いと思います。
初心者にわざと勝たしてあげて、そこから優しく沼に引きずりこんでくれる人が周りにいたらハマる人も多くなるんでしょうけど、難しいですね…
誰も彼も格ゲーでてっぺん取ってやる!みたいな熱意を持ってくる人ばかりじゃないから…
この醍醐味が高速化の流れで2、3フレの差にまで圧縮されて画面情報ではわかりづらくなり結局は知識(それも個別の技ごとにです)に頼らざるを得なくなったのがフレーム批判の一因でないかと思います。
あのツイートにはじゃあモンハンに噛み付けなんてリプあったけど、モンハンは怯みがわかる。
あと負けた悔しさをどう向上心に繋げるかの導線についてはゲーム側が何年もデザインできていない問題があります。
格ゲー屋が共に歩んだ格ゲー歴20年のプレイヤーと同じ目線で開発しないとナメられるのかもしれませんが、それでは普遍的な面白さにはならず、どっかでディスられるのは仕方のない事です。
どちらかというとディスの主体は新規や初心者よりも全盛期に大多数を占めた中堅層で、そこらへんの人達が今の見て「ねーな」と思ってるんだということに受け取ってます。
そう、意外と難しくない。
合うと合わないはあるかもですが。
コマンド、黎明期においてはみんな波動拳すら打てなかっただろうし、
概念がわかれば意外と簡単、
家庭用は大昔スーパーファミコンのパッドで頑張ってきた気がする、
フレームもいきなりはじめっから覚えるもんではない。
負けて悔しかったりするから覚えだすもの。
それより駆け引きや立ち回りの楽しさとか、それ以前の「こんなにおもしろいことがたくさんある!」をまずは見てほしいですよね…
まずは触ってみてほしいですね。フレームの話は記事内で理解できなくても、実際にトレーニングモードで試してみれば自分が言ってることも伝わると思うので。
「駆け引きや立ち回りの楽しさ」はコーリンが一番味わえるかなと。相手の手癖観察して当身入れたときの爽快感はかなりのものですからw