『ファイナルファンタジー16』先月YouTubeで公開された本作の開発者トークが興味深かったので、今回はそちらを紹介します。FF16というネームバリューの割に再生数が高くないので、見ていない人も多いかなと思います。
動画リンク:召喚獣アビリティ 開発の過程 #FF16 のバトルアクションを紐解く
面白かったトーク内容としては、「コンバットディレクターの鈴木良太氏が有名格闘ゲーマーだった」「武器種を1つに絞った理由」「属性要素を設けなかった理由」あたりです。
なので、この記事内ではその3点にスポットを当てて紹介します。
FF16開発トークピックアップ
コンバットディレクターはウメハラと組むレベルの強豪格ゲーマー
コンバットディレクターの鈴木良太さんが『デビルメイクライ5』『ドラゴンズドグマ』開発に携わっていたというのは過去に調べて知っていましたが、有名な格闘ゲーマーだったことは知りませんでした。
以下、それが判明した会話の流れ。
安元洋貴(声優)「鈴木さんは後からスクエニに入られたってことですね。その前はカプコンさんのほうで色々なアクションゲーム作ってましたし、ボク自身もドラゴンズドグマメチャクチャ遊びましたし。マブカプはゲームセンターとかでやってましたね。」
鈴木良太「ありがとうございます笑」
安元洋貴「ボク自身はもともと格ゲーの有名プレイヤーとして、鬼鈴木として知ってたんで今日ちょっと緊張しているんですけど。」
鈴木良太「久々に呼ばれましたその名前笑」
安元洋貴「ビシャモン使いだったんですよ。それでボクは知ってたんですけど。アクション上手かった人がアクションゲーム作っているっていうのは中々ボクとしては個人的に頼もしいなと思っていて……(以下略)」
以上の流れで、有名な格ゲープレイヤーだったことが判明しました。
“鬼鈴木”で検索したら、格ゲープレイヤーwikiにしっかりと掲載されているプレイヤーでした。ヌキさんとも仲が良かった模様。
鬼鈴木。おにすずき。
ヴァンパイアセイヴァー全盛期にウメハラ、ヌキと並び称されたビシャモン使い。大Kカラー。
常に攻めを意識したプレイスタイルで、おもむろに来るコマンド投げ、ずらしや不能等を的確に使い分けてくる。
その中でも最も目を引くのが、その異常な精度のGCで、きざみや割り込み・ザベルやQ-Bee等の高速中段にいたるまでガードされると反撃を受ける・・・という攻め手側が逆にプレッシャーを受ける現象が起きるのも彼のプレイスタイルの特徴だ。
ただ、その日その日によって若干ムラがあり、大会などではその実力を発揮しきれないこともあるが・・・
その反面ツボにはまった時の爆発力は、まさに「鬼」と呼ぶにふさわしい。
ヌキと仲が良くセイヴァーを共にやりこんでいた。※格ゲープレイヤーwikiより引用
また、主な戦績の欄ではウメハラと共にヴァンパイアハンターの全国大会に出場していたことも記述されている。
今回の動画で意外なバックボーンを知ることが出来ました。PNが柴田勝家の渾名“鬼柴田”っぽいのもカッコ良いです。
武器種を絞った意図について
主人公のクライヴが使用する武器種は片手剣しかありません。その意図についてもメインディレクターの高井浩さんから語られたので、要約して紹介。
【高井浩氏の発言】
・プロジェクト最初期には考えてなかったわけではない
・今回は召喚獣にフューチャーしてゲーム全体を進めていこうっていうのが当初からあった
・クライヴの成長は召喚獣のアビリティが増えていくことで遊びが広がっていくゲームデザインが中央にある
・そこに武器種でもう1段遊びの幅を広げていくっていうのが必ずしもプラスかっていうとそんなこともないのかなと思っていて……
・ならばあえて武器種のほうは片手剣1本でいこうかなと
・武器増やすなら召喚獣(アビリティ)増やしますよねっていう
・鈴木の想定ではアビリティ数多かったですよね
【鈴木良太氏の発言】
・武器種増やすぐらいだったら召喚獣に全部振ってしまったほうが絶対にこのゲームとしてはプラスとして働く
・武器種じゃなく召喚獣アクション、召喚獣アビリティっていうところを増やしてバトルを盛り上げるようにしようって形に早い段階で決まった
属性要素を付けなかった理由
こちらに関してはコンバットディレクターの鈴木良太さんが語られています。
安元洋貴「本当はバリバリ属性があるように見える召喚獣たちですけど、あえてそこは付けなかったと。理由は何かあるんですか?」
鈴木良太「今回バトルがアクションに変わったっていうところから、プレイヤーが戦闘中に考えないといけない情報量をどこまで設けるかっていうところで。」
鈴木良太「敵とプレイヤーとの攻撃のターンを状況によって把握しつつ、プレイヤーが使うアクションだったりとかアビリティがありつつも、ゲージ管理、体力ゲージがどれくらい減ってるかだったりとか、トルガルへの命令もあったりとかして、戦闘中にプレイヤーが考えなきゃいけない情報量っていうのがあまりにも多すぎると難しくなっていってしまうっていうのがまず1個ありましたと。」
鈴木良太「あと今回、クライヴを自由にカスタマイズさせるっていうところに対して、カスタマイズの幅に対してゲーム側から制限をかけないほうがいいっていうのがあった。」
安元洋貴「そうか。属性が制限になってしまうことがあるのか。」
鈴木良太「そうですね。この敵にはこの属性の召喚獣でないと倒せないだったりとか、これが圧倒的有利でこれが圧倒的不利とかになってくると、本当は自分はこういう戦術でこういうコンビネーションを組み込んで戦いたかったのに、属性があるからそれ出来ないっていうのが、プレイヤーさんの自由度・遊び方の多様性っていうところに対して制限をかけてしまう要素になるので、あえて今回は外そうっていうところで。」
鈴木良太「属性があることによって深みが出るって持っていき方も出ると思うんですけど、お話した通りバトル中に考えなきゃいけない情報量が圧倒的に増えるので。」
鈴木良太「実際に現状ユーザーさんがプレイしている動画配信とか見てて、やっぱりトルガルへの命令だったりとかをあまり使ってないだったりとか。使わないことが悪ではないんですけど、使い切れていない方もいらっしゃるので、そういった現状の上に更に属性が乗っかったらもっと考えなきゃいけないってなるんで。」
鈴木良太「あんまりなんでもかんでも乗っければいいってわけではないので、今回は敢えて抑えたって感じですね。属性に関しては。」
安元洋貴「あとファイナルファンタジーっていうことも一つの要素かもしれないですね。色々な人が触れるゲームだと思うから、その中には当然アクション強者で属性でもなんぼでもマルチタスクで考えられる人もいるけど、シンプルにストーリーを楽しんできたライトゲーマーの方も当然いらっしゃるからそこらへんの取捨選択は大変かもしれないですね、なるほど。」
鈴木良太「そうですね。」
まとめ
以上、ファイナルファンタジー16の開発者トーク紹介です。
この動画は約1時間ほどあって、記事内では取り上げていないトークが多くを占めています。興味のある方は冒頭に貼付した動画リンクから本編をご覧ください。
属性を入れない理由は納得のできるものでした。そもそもこのゲームに属性なんかあったら絶対ストレスの元になると思っていたので無くて正解です。
もし属性の概念があった場合は出てくる敵に毎回属性あわせて召喚獣切り替えるのも面倒だし、召喚獣を切り替えながらコンボをするのが楽しいゲーム性なのに、属性の概念があると不利属性でも使わないといけないシーンも出てきたりしてストレスが半端無さそう。だからここは無くて本当に良かったと言える。属性が無いって部分はエアプからの叩き材料になっていそうだけど、これは無くて正解なんです。
あとはコンバットディレクターの鈴木良太さんが鬼鈴木っていう有名格ゲーマーだったのが相当驚きました。これは今回の動画を見て良かったなと思えた点。
ビシャモン使いの鬼鈴木と聞いて。
そしてドラゴンズドグマも大好き。どう言うことかといえば
FF16が楽しみってこと。— 安元洋貴 HIROKI YASUMOTO (@__yasumoto__) June 21, 2023
ff16の開発陣を調べてみたけどコンバットディレクターが鬼鈴木ってマジ?
確かVSのビシャモン使いだったかなー— ユキジョー@望月提督 (@yukinojyo700) June 18, 2023
FF16の鈴木氏どっかで見た事あるなーと思ったら鬼鈴木氏かーそりゃすげえゲームだ
— Rein (@Reindeersun) June 18, 2023
面白い動画でした。以上!
FF16の探索要素や自由度に関する要素を削ってストーリーに特化したのは、
今後FF7リバースを出すことが決まっているから、そちら側と差別化を図ったとかもありそうですね。
流行りの評判よさそうなシステムを無作為に突っ込んで散らかったゲームになるより、ちゃんと作り手が表現したかったものが明確に出ている今作は好感が持てます。
本編を難易度FFチャレンジでアイテム禁止縛りで遊んだり、強さに制限がかかるアーケードモードを遊ぶとより実感しましたが、攻防の切り替え、アビリティの選択、アクションの手触りが凄く良いんです。敵の攻撃を上手く捌き、爽快感のあるカウンターを決める、書くと簡単ですが意外とできていないゲームも多いので、自分はFF16のコンバット好きですね。しかし様々な補助リングがあるためか、この楽しさに至る事なく、単調という感想を抱いている方が少なからずいるのが個人的に残念ですね。ただ一方で補助リングのおかげでクリアできた方もいるでしょうから、ゲームの難易度設定って本当に難しいですね。
ウメハラの配信で言ってたわ
コメ『FF16の開発者の鈴木良太さんって格ゲーの強者らしいんですが知ってます?』
ウメ「鬼鈴木でしょ?知ってるよ」
ストーリーは不満があったけど、アクションゲームとしては大満足だったから
FF16のベースを使い回してハクスラ要素を備えたアクションRPGとか作って欲しいマジで
ソウルライクとかでも全然歓迎
装備品にレアリティ分類みたいなのがあったのは、レアドロップ装備とか想定してた名残じゃないのか?
最初は色々想定してたものを削って削って、良かれと思ってやったんだろうけど
RPG要素を削り過ぎちゃった感あるんだよな
16ってアクションゲームとしてみたときの感想があまり聞こえてこない状況になっちゃってるのが残念 高井さんの言ってる事ももっともだけど やっぱりRPGの金字塔なんだからギアーアップの楽しみ無いのはちょっとなあ