みなさんこんにちは。
今回は、映画『プラットフォーム』の評価・感想を語っていきます。
(本作はアマゾンプライムビデオで無料配信中。2022年7月15日時点。)
この映画を見たキッカケは、プライムビデオのトップに表示されていたのと、そのあらすじが興味を惹かれるものだったからです。
【あらすじ】
ゴレンは目が覚めると「48」階層にいた。
部屋の真ん中に穴があいた階層が遥か下の方にまで伸びる塔のような建物の中、上の階層から順に食事が”プラットフォーム”と呼ばれる巨大な台座に乗って運ばれてくる。
上からの残飯だが、ここでの食事はそこから摂るしかないのだ。
同じ階層にいた、この建物のベテランの老人・トリマガシからここでのルールを聞かされる。
1ヶ月後、ゴレンが目を覚ますと、そこは「171」階層で…。※アマゾンプライムビデオの紹介文を引用
【映画予告映像】
どうですか、超面白そうですよね。
“塔のような建物”で繰り広げられるソリッドシチュエーションサスペンスです。
階層は数字が低いほど上層になります。数字が高いほど下層。部屋は正方形で狭く、ただ与えられた食事を食べるだけの生活になっている。
その食事は上階層の食べ残しです。
0層で食事が作られ、つまり1層なら誰も手を付けていない綺麗で豪華な食事を好きなように食べられるが、2層以降は、自分より上階層が食い散らかした残飯を食べていくことになる。
勿論、下層にいくほどその食べ残しも少なくなっていくわけで……。
・食事は“プラットフォーム”で上から下へ下降していく
・1部屋につき2人が配置される
・食事をキープしておくことは出来ない
(キープすると急速な温度変化で殺される)
・1ヶ月に1度、ガスで眠らされて層の引っ越しがおこなわれる
……とまあこのようなルールが設けられています。
あらすじで171階層以上あることが分かりますが、それがどこまで続いていくかは本編を見て確かめてください。171階層の時点ですでに絶望感ありますけどね。
ここからはネタバレ有りで感想を語っていくので注意してください。
(グロ描写があるので苦手な方は注意の映画です。)
では感想に入ります。
個人的には駄作と言える出来でした。かなり面白い設定を無駄に消費したなという印象が強い。
それは何故かというと、一番の理由としては単純に不完全燃焼で終わっているから。
たぶん視聴者にその結末を委ねる系のアレなんだと思いますけど、自分はそういうの好きじゃないです。
結局これはファンタジーなのかな?死んだキャラがリアルな幻想で出てくるのが、リアリティを持たせたいのかそうじゃないのか分からなくなってきた。
“認定証”とやらは分からないままだし、最後のオチは結局なんなのだろうか。あの女は結局なんだったのか。
この塔っていうのは単純に現実世界を縮小化して再現したもので、0階で食事を作っている人間が“神”というようなレビューもあった。自分はその表現が腑に落ちました。
ほどんど投げっぱなしの作品で想像の余地が広すぎるけど、自分の着地点としてこれは
”常に最高の創造物や自然環境を提供している神と、それを自由に扱える人間”の齟齬を描いた作品なんじゃないかと※アマゾンのレビューより
1ヶ月に1度、階層が入れ替わるのは、輪廻転生や諸行無常的なものを表しているのかな。
この階層の入れ替わりはどうも完全にランダムっぽいです。善行をしたら上にあがれるとかいうシステムでは全く無いように見えた。
人生がままらならない、自分の意思ではどうしようもならないことを示しているのか。下層に生まれてしまったらどうしようもない。上層なら不自由なく食事を食べられる。
そういうメッセージ性のある映画なんでしょうね。
これを映画として見た場合、謎が多すぎてクソ最悪なんです。少なくとも自分は、スタッフロールが流れたときに「は?これで終わり?」という印象が強すぎた。
食事の量にしたって、とても333層ぶんをまかなえる量じゃないです。
最初は、塔の人間がみんなで協力しあい、最下層までいたる塔の住民すべてに食事を均等に配ることで、塔内の人間が全て開放されるのかな?(つまり過酷な状況でもモラルを示すことが塔を脱出する条件)なんて思いましたけど、333階層(666人ぶん)もあるなら到底無理な話。
ここまで書いて気付いたんですけど、666っていう数字になっていることも“含み”があるんですかね。全ての層に2人ずつなら666人、悪魔の数字になるわけで……。
結局、0層の料理人による“神々の戯れ”的な、本当に意味のない話だったのかな。上層を目指して脱出するとかそういうのでもなかったし。
うん、まあ色々言ってみても映画側が風呂敷広げっぱなしで謎を持たせているから、自分にとっては不完全燃焼で駄作です。
オチは綺麗につけて欲しい。
以上。
ちなみにアマゾンの平均評価は★3.3です。
評価を見れば分かる通り、賛否両論メチャクチャ分かれています。
個人的には『オールド』のほうが面白かったなあ。“マシ”だったと言うべきか……。
結末を暈すならば色々な考察が出来る展開にして欲しい所ですね。
この映画に限らず、こういう終わり方の作品は駄作が多い気がします。
ですねえ。
高評価している人はそういうのが好きってことなんでしょうけど、自分は嫌です。