野上弥生子さんの短編集を読んでいて、どうにも理解できない一節がありました。
何度読み返しても、ちょっとどういう意味を含んでいるのか分からない。意味の分かる方が居たら教えてほしいです。検索してもこの一節は出てこなかった。
それは下記の文章です。
丈の高い、黒ずくめのなりをした女の姿が頭の上にあった。
さっきの年はこの瞬間なんにも助けなかった。
彼の胸は、当時の二十三の青年の鼓動で打った。野上弥生子短編集「茶料理」より引用
“さっきの年はこの瞬間なんにも助けなかった。”
これが何を意味しているのか分からないのです。この一節が無かったとしても、前後の文章を繋げれば普通に意味として通じる。この―自分にとっては不可解な―一節は何なんだろう。
もし茶料理を読んだことのある人が居て、この意味が分かる人が居たら、どういう意味なのか解説してほしいです。ちょっと低学歴の自分には理解が出来なくて、クエスチョンマークが頭に浮いてしまう。
「茶料理」自体はとても良い短篇で、自分が読んできた小説の中でもトップクラスに好きな内容でした。
活字だからこそ成せる繊細な心理描写、これを映像化したら途端に陳腐な恋愛ものになりそうで、野上弥生子さんが書く文章だからこそ美しく感じるのだと思う。……と、そんなろくに野上弥生子さんの作品を読んだわけのない自分がしたり顔で言うのもなんだが。
素晴らしい短篇である「茶料理」。しかし、この一節が、自分の読解力ではどういう意味なのか分からなくてモヤモヤする。解説出来る方が居れば、教えて下さい。
以上です。
何気に読み飛ばしそうな一文もこうしてみると面白いですね。
3文のみでの解釈ですが、
3文目にかかるとするなら
落ち着いてきたはずの今の年齢は何の意味も成さなかった、と読みました。
年甲斐もなく当時のように胸が高鳴ってしまったと。
あ~、なるほど!
それだと納得できます。
この文章のみで、よくそこまで解釈できましたね。
確かに、この前のページで、年齢による落ち着きを語った描写がありました。この文章あっての一節だったのですね。
しかし匿名さんはそれを読まずして、その解釈が出来るとはおみそれしました。
腑に落ちました。ありがとうございます!