格闘ゲーム開発者、芹沢鴨音さんがYouTubeにアップされた動画が非常に興味深い内容だったので取り上げます。
話題となったのは、クロスプレイの実装について。
オンライン対応のゲームに実装されたりされなかったりしているその機能、ゲーム開発者からの視点でクロスプレイ実装の大変さやコストの高さなどが詳細に語られています。
動画リンク:【格ゲー】いくら払えばクロスプレイは実装されますか?(YouTube)
マシュマロ:小学生からのおたよりです。ぼくがいくらはらえばクロスプレイはじっそうされますか?
【以下、配信内容一部抜粋】
・今からクロスプレイを作るとなったらプログラマーを雇うところから
・(対応するプログラマーの給料)月80万くらいの9ヶ月、それが人月。
・プラスグラフィッカー、UI、企画を考える人が3ヶ月くらい。人月40万くらい。
・デバッグ会社に頼むオンライン対戦のデバッグ期間が1ヶ月くらい。
・ハードごとの機能を取っ払って別の仕様に差し替える期間が必要。これがPS4で2、3ヶ月くらい。
・PS4、Switch、Steam、XBOXそれぞれ2、3ヶ月くらいかかる。移植会社に依頼する形になるので、半年間くらいの契約になってお値段払っていくとウンニャンニャンヤン万円になってそれかけるプラットフォームぶん。
・実装後に必要になるのが毎月の費用。サーバーの費用は毎月レンタルでお金を払うことになる。それが場合によってはとんでもねぇ額になる。毎月毎月赤字を垂れ流していく。
・どのサーバーを使うかみたいな検討期間も2ヶ月くらいは要る。
・どんなに急いでやっても1年以上はかかる。
・関連会社の部分を1年以上やるっていうと余裕で億にはなっちゃう。億いくか?ギリギリいかないでいけるか?ボチボチの額になる。
・一番ヤバいのが、どっかでクロスプレイを終了するっていったタイミングでクロスプレイの機能をオフにする修正期間が必要。元のクロスプレイがない状態に戻す設定を作らなきゃいけないけど、これが結構大変なんじゃないかって思う。
・何が言いたいかというとロールバッグ対応だろうがなんだろうが同じ。要するに作り直しになる。作り直しになるっていうのは各社さんとゲームを新規に1本作るのと同じ額がかかるって話。
・最初からクロスプレイ前提で動いてるゲームとクロスプレイを後から足そうっていうのだとだいぶ話が変わってくる。
・クロスプレイは“ちょろっとやろう”っていうレベルのアップデートではなくなってしまう。かなり重たくなってしまう。
・クロスプレイ実装はキャラ8体追加ぶん。
・8体で済むかな?もうちょいかかるかも。だから、後から追加っていうのは中々難しい。
・いくら払えば出来るのかなっていうと、ポンッと10億円ぶんくらいいただければいいんじゃないかなと思います。
・『グラブルVS』さんが今度ロールバッグに対応するって話あるじゃない?中々対応されなかったなって思う人いるかもしれないけど、あれは対応するのが凄い大変だし、いま言ったみたいに普通に新作1本作るお金がかかると。アプデでどうとかいうレベルではない。だから、商業というか、普通に考えた場合、新作扱いにするのは正しい。凄いなって思う。
管理人注:『グランブルーファンタジー ヴァーサス(グラブルVS)』に様々な新要素を追加し、ロールバックとクロスプレイに対応させた作品が、新作の『グラブルVS ライジング』となります。2023年内発売予定。
以上、格闘ゲーム開発者芹沢鴨音さんのマシュマロ雑談を紹介しました。
記事内で記述したものは一部の話になるので、詳細は冒頭に貼付したリンクからお聞きください。9分ちょいの動画ですが、とても聞きやすく面白い話でした。
色々なゲームで、ユーザーから「クロスプレイ実装してくれ~」って声は出たりしますが、ゲーム開発側からすると超とんでもない労力ってことですね。クロスプレイ実装は、自分が予想していたレベルとは全く違う次元の大変さだって分かって、勉強になりました。
軽い感覚で「クロスプレイ実装お願いします」とか言えるものじゃないなと……。特にPCと家庭用ゲームを繋げるのって大変そうですよね。チートとかの問題もあるでしょうし。
以上です。
エンジニアは月80ももらえるのか
すっごい
エンジニアが所属する会社には80万払われるけど給料は20~30万ってどの業界でもあるやつ
クロスプレイ実装して、というのはほぼ通らない可能性が高いというわけですね。
であるならば次回作はクロスプレイで作って、ですか。
この話を聞くとGGSTでクロスプレイが実装されたのはとんでもないことだって分かりますねえ。
アークはなんというか気合 気迫みたいなものを感じる
さすが格ゲーだけ作ってる会社