突然ですが、来年『日本漢字能力検定 1級』を受検します。今年の試験は10月と間近に迫りすぎているので、来年の1発目の試験を受ける予定です。
100%落ちるのを承知の上です。絶対に受かりません。絶対に受かりませんが、受検します。いま勉強出来ている範囲は全体の1%にも満たないでしょう。それでも受けます。
漢検1級の勉強は四字熟語をチョイチョイ進めるだけでしたが、分野別精選演習なる書籍も平行して進めていきます。
漢検準1級の書籍と違い、熟語などに意味は記載されていないので、辞典を引きながら意味を記載する作業もある。これがちょっと面倒なところと言える。いやちょっとどころじゃないな。1級の勉強はイミフな漢字だらけなのでこの作業が一生つきまとうであろうことを考えると……。
日常生活ではお目にかかれない熟語のオンパレードです。
とりあえず“精選演習+四字熟語”をメインに試験日まで勉強し、どれだけ太刀打ち出来るかというのを本番で確かめたい。
この負け戦の受検をするのは、漢字の勉強から逃げないためでもある。試験を受けるとなれば、2級と準1級の勉強をしていた頃のように、毎日の勉強が習慣づくと思ったからです。
もう1つの理由は、「正しいことの白」の中に居たいからだ。
※これは漫画「ジョジョの奇妙な冒険 第3部」に登場するキャラクター、“ポルナレフ”の名セリフである
漢検の勉強をすることで、自分は、自分自身に対して、自分の存在が少しは許せるようになる。ゲームだけしている自堕落な生活をしていると自分自身がどんどん嫌いになっていきそうで、それが怖い。だからせめて、漢字の勉強を続けることで、少しでも“まともな人間”で居たいという気持ちがある。漢字の勉強をしているときの自分は、なんだか自分でも頑張ってるなって気持ちになれる。正しいことをしているような気持ちになれる。
そもそも、多分自分は、やはり漢字の勉強が普通の人よりも好きなのだと思う。
漢検準1級の受験者というのは2級に比べて9分の1、10分の1くらいに低下する。つまり、2級を合格しても多くの人は準1級の世界に興味を持つことを無く去っていく。多分、就職や高校大学受験のための資格として最低限2級だけ取っておこうという感じでしょうか。
自分の場合は、そこから準1級もチャレンジしてみようという気持ちが湧いた。それって、他の人よりも漢字の勉強が好きだからだよなって思えたのです。
自分は、勉強というもの自体が大嫌いで今まで生きてきた。
……生きてきたつもりだったが、漢字の勉強は違うということが、オッサンになって気付いた。
学生のときは全ての勉強が嫌だった。物覚えが悪いし、テストの点数も低いし、勉強での成功体験というものは全く無かったように思える。だから勉強が嫌いだった。単純に何かを学ぶことが不向きなギリ健の低知能。
しかし、漢字の勉強を良い大人になって取り組んでみたらこれが存外に面白い。
漢字には単体で様々な意味を持ち、それらが組みわさって熟語になるとまた新しい意味が生まれ、四字熟語には起源となった面白い故事、ストーリーが含まれる。これが漢字の面白さでしょうか。
学べば学ぶほどに新たな発見があり、知らない世界、自分が生まれる前にこんな面白い出来事があってこんな四字熟語が生まれたなど知ることが出来る。
漢検2級の四字熟語に「虎渓三笑」というものがあります。
あることに夢中になって、他のことを全て忘れてしまうこと。
「虎渓」は中国の江西省の廬山にあったとされる谷の名前。
「三笑」は三人で笑うこと。
中国の東晋の高僧の慧遠は、廬山の寺にこもって、虎渓よりも外に出ないと誓っていたが、詩人の陶潜と道士の陸修静を見送るときに話に夢中になり、虎の吠える声で虎渓を超えてしまった事に気づき、三人で大笑いしたという故事から。
みなさんも似たような経験はありませんか。友達と話に夢中になって目的地を過ぎていたということが。
1600年以上も前の人達が同じようなことしていたんです。メッチャ面白くないですか。
自分が生まれる遥か昔の出来事が現代でも通用する四字熟語として伝わっているのが面白いなと思う。あとは結構前に紹介した「黄絹幼婦(こうけんようふ)」が今まで学んだ四字熟語の中で一番好きです。
ちょっと長くなりましたが、そんなわけで漢検1級の試験に来年挑みます。
これは100%確実に落ちるものなので、応援不要です。自分が勉強する範囲ではどれだけ詰めても絶対に合格点には届きません。そもそも数年かけて勉強しても落ちるのがザラみたいな超難関試験です。毎日3時間とか4時間勉強するつもりもないです。なので、“受かってやるぞ”って気持ちで受ける試験ではないです。ただし、毎日必ず勉強はおこないます。
漢検漢字辞典、漢検四字熟語辞典、精選演習、iPad、この4つを駆使して頑張っていく。
一応「本試験型試験問題集」も先週買いましたが、これに手を出す余裕があるかどうかは分からない。
以上。決意表明でした。
短い人生、死んだら全てが無に帰すけど、何かを学ぶのは悪くないと思う。人間の短い人生、無数の死が積み重なっていまの世界があって、沢山の漢字が生まれて伝えられてきた。それを少しでも知ることは悪くない。
鼻血が実は漢字一文字で書けることも最近知った。“はなぢ”で変換出来るので気になる方は変換してみよう。
人生詰んではいるけども、自暴自棄にならないように、生きなければならない。