ダン延期。
日本全国に衝撃が走ったその悲報から1日が経った。
-親愛なるダンへ捧ぐ。
……なぁダン。俺はお前が初めてスト5に来るって言ったとき、凄い怒ったんだ。「なんでダンなんかに貴重な1枠を使うんだ」ってな。
お前の心なんか知らずに、酷い言葉を投げかけちまった。
よく見るとエドモンド本田もディスってるけど、本田はどうでもいいよな。
“ギャグキャラ”とか、酷い言いようだよな……。
そのときはヴァイパーが来なくてイライラしていた。お前なんか来なくていいって思ってた。なんでヴァイパーじゃなくてダンなんだよってな。
でも、先日ダンの延期が発表されたとき、俺は凄い残念だと感じてしまったんだ。俺の心に芽生えたこの感情はなんなんだ?
あれだけ嫌悪していたダンだったのに、それが延期になってしまうことが、凄い嫌だと感じたんだ。
そのとき気付いたんだ。
……俺はダンを心の中では愛していたのかもしれない、と。
もしかしたら、お前の懐の広さのせいかもな、ダンよ。
俺がダン発表されたとき、さんざんお前に悪口言ったけど、お前は何一つ俺に言い返さなかったよな。
俺は自分という存在が醜く思えて仕方ないよ。
お前は、ただ生まれて来て、満を持してスト5に参戦出来て喜んでいたことだろう。そんなお前に、俺はひどい言葉を投げかけてしまった。お前は一切悪くないのに。
俺を殴れよ!!
気が済むまで俺を殴ってくれよ、ダン!!
……
…………
ダン「気にするな」
え?
ダン「気にしなくていい」
ダン……?
ダン「2月になって俺が登場したら、そしたら使ってくれよ」
…………
ダン……!!
いや、ダンはいない。幻聴か……?ダン、お前、いたのか?俺を見守ってくれていたのか?
もしそうなら、謝りたい。初めて発表されたとき、とんでもない悪態をついてしまったことを。そして伝えたい。今は愛しているということも。
俺はお前の存在にダンダンと心惹かれていたんだろうな……。
すげぇやつだよ、お前ってやつは。
来年の2月に延期になった本当の理由も、気付いちまったんだよ。
俺のためだろ?
俺が来年の2月14日に日本漢字能力検定準1級に受検するから、それまではスト5なんかやらずに漢検の勉強を頑張れっていう、お前の心意気だろ。
バカ野郎、俺だってそこまで鈍感じゃねえよ。気付いたよ。お前の延期が俺のためだということ。お陰で今日は沢山勉強したんだ。
ダン、お前のいないスト5なんて、パイナップルのない酢豚みたいなものだからな。スト5やらずに今は勉強だよ。
なぁダン、見上げてみろよ、冬の夜空に燦然と輝く星たちを。
綺麗だろ?
この無数にある星ひとつひとつがダンを待ち望んでいるプレイヤーの姿に見えてこないか?俺は、今となってはそう思えるんだ。
この世界はダン、お前のためにあって、俺達はお前を取り巻く星たちなのかなって。
……ダン、生まれてきてくれてありがとうよ。
「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」
人生は儚いものだと昔の人はよく言っていた。その短い一生で何をやるか、何をなすか。俺は分かったよ。
俺はダンと添い遂げる。人生という名の列車の終着駅も見えてきている。最後はお前と過ごしたい。
勿論、お前が良ければ、だけどな。散々悪態もついたけど、俺はお前のために生きたいんだ。
来年の2月を楽しみにしてる。
我が暗い人生に一筋の光を照らしてくれた親愛なるダンへ。俺からは以上だ。